自分が子どものころはそこかしこにタバコの煙がただよっていました。喫茶店、レストランは当然として、街中でも当然のように歩きたばこが行われていました。
1980年代ごろになると、嫌煙運動がはじまり、部屋内での禁煙が普及していきました。行き場を失った愛煙家の主におじさんたちは、マンションのベランダに出てタバコに火を灯します。そのあかりがまるでホタルのよう(ほんとはただのおっさんですが)ということで、ホタル族と呼ばれました。
スマホ片手に徘徊するサラリーマン
さて、最近、夜仕事返りに見かけるのが、片手にスマホを電源ONにしたまま持ち運ぶ人たち。そう、PokemonGOプレイヤーです。
夜のオフィス街、住宅街を徘徊するのは、子供ではなく、さわやかな学生でもなく、おっさんサラリーマンです。PokemonGOをやっていることを少しでも隠そうと、歩きスマホはしていないふりをして歩きますが、時折、ポケストップを回すため、横スワイプをしているので、バレバレです。
ちらちらとスマホの光を漏らしながら、夜のまちをおっさん達が徘徊しています。新たなホタル族の誕生です。
悲しい新ホタル族
彼らには恐らく家庭があります。夜帰ってきて、「これからポケモンやってくる!」なんて、サトシばりにキャップをかぶって、無邪気に家を飛び出そうものなら、奥さんの怒りを買い家から閉め出されるでしょう。
なんで、彼らは
- 家には残業と称して、遠回りして公園に向かいポケモンゲットする
- 飲み会だと言って、ジムの横で缶ビールを飲みながらバトルを繰り広げる
- ちょっとコンビニで立ち読みしてくるなどいい、汗だくになりながらポケストップを回る
- ランニングしてくるとウェアに着替えて、ポケストップにルアーをしかけて30分とどまる
といった行動をとります。
うちの近所は、やけにランニングウェアを来て、ポケストップにたむろすおっさんが大量にいます。この時期、止まっているだけでもそれなりに汗をかくので、まるで5kmくらい走ってきたかの様相で家に帰ることが可能です。
真昼間からおっさんがPokemonGOやっていると、世の中から厳しい目でみられます。ネットでもおっさんのPokemonGOはたたかれ気味です。
でも、おっさんだって、小学校のときにやった虫採りのようにポケモンを捕まえたいのです。
おっさんはいろんな理由をつくって、深夜のポケモン採りにでかけます。それしか、家庭から、世の中から認められないのです。
新ホタル族の照度を落としたスマホの光をやさしく見守っていただければと。
(戦後の高度成長期を知りたい方はこちらを。)

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー 672)
- 作者: 半藤一利
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2012/01/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (3件) を見る