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中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

できるやつを見極める。性格でわかるか?つづき

雇用 人材育成 人事

前回、性格の測定方法について述べましたが、では仕事と性格の関係について。

 

仕事と性格

仕事のできる人間を採用したいというのは、どの時代も同じで、ずっと昔からある悩みです。この悩みは"Personal Selection"というキーワードで、心理学の分野で数多く研究されています。

 

この数多く研究されたものを集めてまとめて再度検証する(メタアナリシス)ことが、心理学では良く行われているようです。

 

特に有名なのがこちら、

The Validity and Utility of Selection Methods in Personnel Psychology:
Practical and Theoretical Implications of 85 Years of Research Findings

 

これは、仕事の良し悪しをうまく推定できる要素なのかを過去85年間にわたる研究から導き出しています。

この研究では、85年間の研究、515の職業、対象者総数は3万人を超えるデータをまとめています。

 

勤務成績に対して、採用時の判断要素がどの程度相関するかをしらべており、判断要素としては、”GMA(General Mental Analysis) (俗にいう知能テスト)", "仕事の一部をやってもらうテスト”, "行動の一貫性テスト", "性格の良識性テスト", ”面接", "同僚の評価"等々があげられています。

 

結果として、最も相関が高いのは、"知能テスト"で、0.51となります。これは、専門職・管理職や、高度な技術職では相関がさらに高くなります。

 

また、実際に仕事の一部をやってもらう、面接等も、0.4~0.5程度の相関を示しています。

 

では、性格はというと、良識性との相関は、0.31となっており、決して高くはありません(低くもない。中程度)。

ただ、性格の良識性については、ほかの研究も含めてある程度仕事の成果に相関するという結果が数多く発表されています。良識性は、できる人材を予測するある程度の指標にはなっているようです。


採用で聞いてよいのか

こういった研究をもとに考えると、恐らく採用で一番よいのは、採用時に知能テストを行うことです。これは、SPI等々多数の企業が行っています。これで足切りをするのはそれなりに有効なのかもしれません。

 

(ちなみに、そもそも、「知能とは何か、SPIは知能を測っているのか?」等々は、こちらの書籍を参照ください) 

IQってホントは何なんだ?

IQってホントは何なんだ?

 

 

では、性格は聞いてよいのかというと、これはBig Fiveのテストを行えば測定できます。これも聞いてもよさそうです。

 

性格が他の指標でわかるとしたら

ちなみに性格というのは直接測定できないわけです。性格判定器みたいなのがあって、頭に取りつけると点数が出ると楽なのですが、そうもいきません。ですので、文書のテストで評価することになります。

 

前回、トンデモ科学的だといった血液型での性格占いですが、最近はDNA等の研究が進み、血液型により判断や思考に差がでるのではないかとも言われているようです。万が一、血液型での性格診断が立証されたとすると、面接で

「血液型は何ですか?」

「B型です」

「外向性は高いですが、良識性が低いので不合格です」

なんてことが起きるかもしれません。

 

今のガイドラインだと、血液型を聞くのは結構微妙のようで、男女差別、セクハラ等につながるので聞いてはいけないという意見もあるようです。

www.spot-s.jp

 

また、骨相学のように骨の形で性格がわかるというようなトンデモ科学がありますが、これも万が一、性格と相関することが証明されたら、顔の大きさを測るのはありなのかというとかなり微妙かと思います。スリーサイズはNGで、顔のサイズはOKというのはなかなか受け入れがたいかと。

 

一方、知能テストや性格テストは、専門家の指導のもと採用時に行ってよいようなのですが、知能テストや性格テストから人種や性別、血液型、生活環境等が推定できるようになるとそれは、直接血液型や顔のサイズを測っているのと同じことになります。(まあ、実際はないと思いますが)

 

恐らく、今の時点でも各種テストや質問をすればすればかなりの割合で、できる人材が採用できるのかもしれません。出生地や生活環境などは聞いてはいけないとはいえ、それらは知能や性格に影響している可能性があります。しかし、そこには倫理的・法律的な問題も多々あり聞くわけにもいかないので、企業は手を変え品を変え、選定していくしかないようです。

 

逆に、頭にかぶると知能や性格が測定され、合否がその場で決定する、そんなことになってしまうと、どこにも転職できそうにない気もしますので、そんな採用試験はお断りですが。。。

 

 (著者はかなりまっとうな研究者のようです。他者批判も時に強烈ですが、内容はしっかりしてます。)

性格のパワー

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