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中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

人を選ばなくなる世界

仕事をするときに、「これは誰に振ろうか?」、というように必ず”誰”がついてきます。
特に日本企業ではこの”誰”によって、仕事の良しあしが大きく異なるような気がします。

更に誤った"誰"を選択すると、

「えー、これ俺がやるんですか?」
とか、
「それは私の職務ではありません!」
などなど、無駄なやりとりが増えていきます。

 

でも、そもそも仕事で求めているのは成果であり、誰がやるかなんてどうでもいいはずです。
「こんな仕事をやってほしい!」
と願えば、翌日成果物が自分のデスクに置いてある、それだけでいいはずです。
"誰"に仕事を振るかと、悩むこと自体がナンセンスなのかもしれません。

  

誰が仕事をしているのかわからない世界

究極的にいえば、ある仕事があり、その成果物が定義され、コスト、期間等が明確になっていれば、その条件を満たす限り誰がやっても言い訳です。

「XXさんに頼もうかな、でも忙しそうだしなぁ。」

「YYさんはいやがるかなぁ」

とか考えなくても言い訳です。

 

そんなことはありえないだろう、と思う方も多いかと思いますが、一部の仕事ではそういった世界が広がりつつあります。

 

その一つは、クラウドソーシングです。

一般的なクラウドソーシングでは、仕事の要件をWEB上に掲載して、やってきた応募者の中から、スキルにあった人材を見つけて仕事を依頼します。

でも、確かに、

「XXさんは忙しそうだなあ」

という気苦労はなくなりますが、それでも多数の応募者の中から"誰"を選択する必要は残っています。

 

もう少し進んだ形になると、"誰"がなくなっていきます。

例えば、英語翻訳のConyac

conyac.cc

このサイトは、訳したい文書をテキストボックスに入れれば、裏にいる誰かが仕事をしてくれます。仕事の発注者は”誰”がをいうのを気にする必要がありません。

発注者が欲しいのは翻訳結果だけです。誰が翻訳するのは本質的には関係ありません。

 

「いやいやこれは特殊なケースだろ」

と言いたいかもしれませんが、こういった領域は常に広がり続けています。

 

翻訳だって、20年前は、英文和訳は、
「XXさん訳してくれないかなぁ?忙しいかな」
「でも、この手の技術翻訳ならYYさんがいいんじゃないか」
などなど、考えていたわけです。今やそんなことは全く関係ありません。多少のコストが解決してくれます。

写真の読み取りや、文字お越しなどは、クラウドソーシングでマイクロタスク型の仕事として、既に"誰"が関係なくなってきています。

有名なのは、Amazonが提供しているMTurkです。

Amazon Mechanical Turk - Welcome

こちらでは、テープからの文字起こしや写真のタグ付けといった仕事をWEB上発注すれば、あとはどこの誰かわからない人が仕事をこなしてくれます。

発注者は、仕事を投げさえすれば、成果物が得られるわけです。そこに人の選別のプロセスはありません。

 

人間である必要はない

更にこの仕事をこなすリソースは、人である必要もありません。裏が人でも機械でもどちらでもいいわけです。
また、高度の機械であれば、発注者はその差を認識することはできません。

 

前回こちらで紹介しましたが、

blog.sme-itdept.com

人工知能でますます人の仕事は減っていきます。高度な人工知能であれば、発注者は、人がやったのか人工知能がやったのかすらわからないはずです。

例えば、先ほどの翻訳を人工知能がやったからといって、それを判別するのは困難です。英語の翻訳がたとえこなれていなかったとしても、それは、下手な人間が訳したのか、いまいちな人工知能が訳したのか、判別が難しいはずです。

 

ポイントはどのリソースを選択するか

ただ実際は、こういった世界まではあと一歩も二歩も先かと思います。最大のポイントは、

この仕事の最適なリソースはどれか?

という点です。どのリソースに仕事を振ればよいのか、その良し悪しはまだまだ発注者、人間のノウハウになっているからです。

 

例えば、クラウドソーシングでの発注は、まだまだ人力選択です。マイクロタスク型を除けば、仕事を発注する際はたくさんの応募者のプロフィールをみたり、簡単なやりとりをして、誰に発注するかを決めます。その”誰”の選択は時に成功することもありますし失敗することもあります。それでも多くの場合、自動化するよりも人が判断した方が良い結果が得られます。

 

また仕事の評価の問題もあります。例えば、成果物そのものはそれほどでもなかったがコミュニケーションが良く、それなりに満足したなどというケースもあるかと思います。こういった場合、仕事としては成功なのかもしれません。

 

結局、ある程度定型化されて評価方法も決まっている仕事(翻訳や音声・画像認識等)は、"誰"の選択を無くすことができるのかもしれませんが、それ以上、複雑な仕事については、リソースの自動配分はまだ、時間がかかるのかとも思います。

 

でも、いつの日か 

「このプロジェクトやっといて」

というと、自動的に仕事が割り振られ、PMが決められ、SEが決められ、日々プロジェクトが進行していくなんて日がくることを祈ってます。楽だろうな。

 

 

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)

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