以前、保守に向かないSEについて書きましたが、ほんと開発では優秀なのに、保守となるとなんで余計なこと言っちゃうかなと感じるSEは結構います。
あげてくれというベンダー、下げろというユーザー
基本的に、保守費は常にもめます。まず、保守をしっかり見据えてシステム導入なんてなかなかやらないので、保守範囲や価格があいまいになってます。
例えば、簡単なデータ修正なら保守の範囲でやってくれるベンダーがいる一方で、ちょっとでもDBを触るとなるとお金を請求するベンダーもいます。
また、SSLの更新作業を保守で行うケースもあれば、都度請求されるケースもあります。
どちらでもよいのですが、結局は金額とサービス範囲の兼ね合いであり、そこがはっきりしていれば問題はありません。
ただ、そんなことはまずないので、少しずつもめごとがたまっていきます。
原則、ベンダーは金額を上げてくれと言い、ユーザーは下げろと言います。
なぜそんなこと言っちゃうかな
保守はある程度の規模になると、定例会を実施して、保守状況の報告を受けるのが通常です。報告書には、しばしば保守の工数として作業時間がかかれており、それをベースに保守料が算出されていたりします。
この報告書ですが、開発後のバグのせいで、いろいろと対応した工数を保守工数に入れていることがあり、そこについては、「そんなもん瑕疵なんだから対応してあたりまでしょ。保守工数にいれないで」とか指摘します。
そんなときSEが、「瑕疵担保期間は1年ですから、1年目以降は工数として確保させていただきます」みたいなことをいっちゃうと完全にNGなSE認定されます。
そんなことは、こっちとしても百も承知な訳です。ただ、保守の定例には、現場の良くわからないユーザー部門も参加していたりするので、
「なんだそんな屁理屈いいやがって。」
となってしまいます。
前にも書きましたが、ユーザーの味方であるIT部門としては、それが単なるアピールだとしても、現場のユーザーを前にするとある程度ベンダーに厳しいことを言わないといけないわけです。
恐らくここでのSEの振る舞いの正解は、この場では、「厳しいですね。検討します。」くらいにしておいて、後日、営業とSE、IT部門責任者くらいの小さい席で本題を切り出すのが良いはずです。
「すみませんが、問合せ対応の工数が予定より増えているので、保守費を相談させてもらえません?まあ、瑕疵担保も1年で切れますし。。。」
とか切り出せば、まずは交渉の場に立てます。
多対多の会議の場で、正論をぶちかますのは、本当に最終手段だと考えた方が無難です。特に、開発みたいにスケジュールやコスト管理に逼迫している状況でないなら、少しコミュニケーションを考えた方が得策です。
あまり言いすぎるSEは変えられる
大手ベンダーの良いところは、ひとりふたり人をかえてもそれなりに業務が回ることがあります。
その一方で、交代要員がいるために、正論を場違いなタイミングで言い過ぎると、交代させられてしまいます。特に、ユーザー企業の現場部門の責任者がいるまえでやっちゃうと結構致命的です。IT部門として一応、弁護はしますが、あまりやりすぎると「お前はどっちの味方だ!」など言われますので、限界があります。
恐らく営業が頼りないのかなとも
いや、ほんとSEは余計なことを言いすぎず、基本は営業に言わせた方が得策です。でも、そこまで言わないといけないのは、もしかすると営業が使えないので、自分の部隊を守らないといけないのかもしれません。
だまってどんどん作業を押し込まれては困ると、気合いを入れすぎているのかもしれません。
しかし、そういった社内事情は、社内で解決してから来てほしいものです。
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