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中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

会社人間を作り上げるための中間管理職というポジション

働き方

 先日自分のスケジュールを確認したところ、翌週のスケジュールの80%が会議で埋まっているという自体でした。

 

 平日9時―5時として、1時間の休憩を除いて、5時間半程度が会議に割かれていることになります。

 上記80%のうちの半分が社内の人間のみの会議、残り半分が社内+ベンダーという状況でした。

 

 考える時間はない

 こういった状況の最大の問題は、じっくり考える暇がないということがあります。情報収集して、吟味したり、何か新しい技術に取り組む時間がなくなります。

 時間が空いたとしても、細切れのことも多く、結局メンバーからの報告を聞いたり、はんこ押したりで終わってしまいます。

 

 コンサル時代のように、うんうんうなって、考えることが全くなくなりました。

 

 外部の知見を入れる余裕もない

 次に、スケジュールに余裕がないので、仕事と直接関係のない外部の人との接点が減ります。例えば、同業他社と意見交換するとか、前職時代の人に会いに行くとか、そういった時間が取れません。ミーティングが続くと、移動時間も取れずなかなか外出が難しくなります。

 

 結果、外部の知見を取り入れることができず、ベンダーからの話をうのみするしかない状況が生まれます。そして、思考停止していきます。

 

 家庭の時間が削られていく

 そして、他人に時間がとられる一方で、自分の仕事は溜まっていくので、定時以外に仕事を行う必要がでてきます。体力的にも徹夜はできないので、子供がもうすぐ寝るかなといった時間に家にたどりつき、土日の出社で埋め合わせることになります。

 

 家族との接点は自然と減っていきます。

 

 市場価値のない人材に

 日本企業の中間管理職はほんとうに微妙です。

 特にこれといって権限がある訳ではない一方で、部下の管理等の付帯業務や微妙な責任があったります。

 また、ある程度の管理職になると、会議等の時間拘束が急に厳しくなっていきます。

 

 結局こういった状況なると、企業の内部的知識ばかりが蓄積されることになります。

 企業固有の情報で、予算の取り方、業務上の落とし穴、根回しのやり方等々、企業内部で生き残る知識と経験は積まれていきます。

「まずはこの案件通すには、あの役員とあの部長に根回しして。。。」

といったやつです。

 こんなのは、他に企業ではほとんど役に立ちません。

 

 一方で、外部知識を取り入れる暇はないので、労働市場という視点では、特殊な人材、ニーズのない人材になっていきます。

 

 40代も中盤になると、30代のように、職種や業種を超えて、ポテンシャルで転職することが難しくなります。この年になると、求人側も特定のポジションに特定の能力を持っている人にターゲットを絞って求人します。

 

 そういったときに、企業内部の知識・スキルばかり向上させ、中途半端な管理職というのは、全く市場価値がありません。50歳で係長・課長とかになると転職はかなり厳しい状況になります。

 

 そして会社バカが出来上がる

 多少は変わってきたと思いますが、日本企業の昇進スピードの遅さは、グローバル企業から見ると驚くほどです。

 

 また、給与額についても、アジア諸国と比べてもかなり劣ります。

 (日本の課長を1とすると、日本の部長級は1.36に対し中国は1.64だそうです。)

大前研一 日本の論点 2015~16 

 

 たとえ能力が高くとも40歳で係長や課長というポジションであれば、市場に出回る外資系の40歳部長クラスとの比較となると、見栄えが悪く、なかなか厳しい状況となります。

 

 また、繰り返しになりますが中間管理職の時間拘束は結構厳しいので、よっぽどの覚悟がないと、転職活動はできません。キャリアアップのための、学校なども難しいでしょう。

 日々、定例会議と、部下の管理や、書類の承認等々、雑務で追われます。また体力も落ちてくるので、そう簡単に日々の生活を変えることができません。

 

 こういった状況では、自然に企業内部知識・スキルが蓄積されていき、さらに企業特化した人材になります。 そうなると、あとは、企業でより良いポジションに上り少しでも待遇をよくするしかありません。

 

 結局40才すぎて、ふと気づくと企業にしがみつくしかないことに気づきます。たとえ待遇が悪かろうと、他に選択肢がなくなっていくのです。

 

 企業としては、中間管理職というポジションに置くことで、有能で市場に流出する可能性のある人材を、時間拘束し、市場価値を失わせて企業に長期的にコミットさせることができます。 

 

 日本企業の中間管理職は、ある意味素晴らしい仕組みです。

 

 暗い話で、年の瀬を迎えてしまいましたが、良いお年を。

 

 (未来の働き方に対応できるようにしておきましょう。)

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

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