総務省統計局の調査によると、高齢者の就労率は主要国で最高だそうです。
- 高齢者の就業者数は、10年連続で増加し、636万人と過去最多
- 就業者総数に占める割合は、10.1%と過去最高
- 高齢雇用者の7割超は非正規の職員・従業員
- 「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多の理由
だそうです。
今後、再雇用の制度化も進みこの傾向は更に続くことかと。
自分はまだ定年までには時間があるので、どちらかというと高齢者を雇用する側なのですが、いざ活用するとなると結構悩ましいところです。
確かに、定年前に結構なポジションまで行ってそれなりに能力のある方は、十分に戦力になるかと思います。物の考え方や、人の動かし方などは、再雇用で働いてもらいナレッジを移していけば、十分に会社にとって価値のあることかと。むしろ再雇用で給与も下がっているので、会社にとってはうれしいことでもありそうです。
まあ、もともとこのレベルの人々は再雇用がない時代は、子会社の役員などになって、定年を伸ばしてお金を稼ぐなどしており、もともと能力もあり職もあった方々かと思います。
一方で上に行くこともなく事務処理ずっとをやっていて定年したようなケースでは再雇用時の使い道は悩ましい状況となります。単純事務などの仕事は多くの会社がアウトソース化をはかり、低コスト化、人件費の変動費化を進めています。再雇用はある意味それに逆行することになります。
また、こういった人材が一人入ることで、若手のパート・派遣といった事務処理中心の人材の枠が一つ減ってしまいます。使う方からしてみれば、若い方が、体力もあるし、伸びしろもあるし、言うことも聞いてもらえるので、使いやすいのは確かです。再雇用で元上司、先輩なんか来た場合には、面倒になります。
更に、エクセルやパワポなど基本的なことができないと、単純作業にしても効率はかなり悪くなります。また、なんとかこういったスキルを身に着けたとしても、スキルそのものは陳腐化していく可能性もあります。単純作業であれば、海外に出してしまうことも今後進んでいくでしょう。
たぶん、単純スキルではなく、どこかもう少し抽象的なスキルが高齢者を有効活用するポイントかもしれません。これまでの知見、コミュニケーションスキルなどかなとも。
さて、自分が定年後にどうやって使ってもらうかを、今のうちから考えておかなければならないですね。
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