中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

SIer vs WEB屋 その3 無難なWEBサイトへの回帰

WEB屋が大風呂敷を広げて始まったWEB開発のお話の続きです。

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SIerの逆襲

さてまずは、WEB屋のデザインをもとにSIerが概算見積りを出すのですが、それでは予算に全くミートしないので、詳細を見直します。

 

まずは、SIerとWEB屋を集めて、デザインの詳細の確認から始めます。SIerからの質問ぜめが始まります。

「この部分の表示条件はどうなりますか。どこで設定しますか」

「マスタ設定するとなると業務上の手間となりますが、大丈夫ですか」

といった業務的な視点から始まり

「ここでこの単価を表示するとなると、都度DBにアクセスが発生しますが、レスポンスは大丈夫ですか」

インフラ的な視点等々、言われっぱなしだったSIerからの逆襲が始まります。

 

この時点でWEB屋の範疇は超えているのですが、「すべて任せて」と言った手前WEB屋も引くに引けません。

 

泥仕合

WEB屋としても業務やインフラまで考慮しろとなると、スコープが広がるので、

「いやいやその辺はSIerさんで考えてくださいよ」

と、SIerに投げようとします。しかしながらSIerもそんなもの受け取ると工数が増えるので、そう簡単に受け入れはしません。そうなると

「非協力的ですよ」

など愚痴が始まり、プロジェクトとしては混迷を極めまず。

 

この時点で既にスケジュール、コストともに当初予定にミートしなくなっているので、IT部門も黙っているわけにはいかなくなります。

「あんたらがPMやって、責任持つっていうから発注たんじゃないか」

と言えば、

「業務やインフラまでスコープとは言っていません」

と泥仕合の様相を呈してきます。

 

WEB屋とSIerの協調

さて、泥仕合を続けていて困るのは、実はWEB屋とSIerの両方です。スコープが拡大し、スケジュール、コストが増大しても、その分をユーザー企業が補てんしてくれるとは限りません。

ユーザー企業としても、そっち都合で遅れているのだから、その分のコスト負担などするつもりはありません。

 

WEB屋、SIerともにこれ以上伸びると利益率が悪化するのが目に見えているので、次第に両者の歩み寄りが始まります。更には両社結託して、スコープの絞りこみが始まります。

当初は、ゼロベース思考であったWEB屋も、SIerと同調し

「それをやると工数がかかる割にはUXは改善しませんよ」

など、収束に向かおうとします。

 

両者が結託すれば、ユーザー部門も徐々に折れて、要件は収束していきます。

 

かくして最終的にでてきた案は、無難なところで落ち着いたものになります。

確かに、ゼロベースから考えただけあって、SIerのお抱えデザイン会社に頼むよりは、よっぽどましなものができますが、それでも大幅なコスト増、スケジュール増に見合ったかというと、そこまでとは言えないところです。

 

UI、UXってそんなに大事

WEB屋はUX,UXで言いますが、果たしてそこまでUXに投資する意味があるのかは疑問です。(UIとUXの違いもよく分かっていない人間が言うのもなんですが)

 

当然、スマホで購入が難しいECサイトなんていうのはありえないですが、ある一定のクオリティを担保していれば問題ないのではないかと思います。

むしろ、同じお金をかけるなら、商品やサービスにコストを入れるべきではないのかと感じます。

 

だって、楽天なんてUXは褒められたもんじゃないと思いますが、売上はあがってます。

 

WEBの表面に過度に投資するくらいなら、販売のデータ分析に投資して、商品・サービスの改善を測った方が、よっぽどましではないかと。

 

ということで、マーケティング、営業など現場部門の方々は、変なセミナーに出て、はやりのワードに熱をあげないようお願いします。IT部門の仕事が増えますので。

 

 

SIer vs WEB屋 その2

WEB屋に現場部門が陥落することで、WEBのリニューアルプロジェクトが始まったお話の続きです。

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ゼロベース思考

WEB屋のプロジェクトは、まずはゼロベース、制約なして、デザインが始まります。
UXを云々言いながら、デザインのモック、ワイヤーができていきます。

WEB屋のデザインは見ていて面白いです。SIerが作る、妥協の産物とは違う良いものができます。

SIerにデザイン変更を依頼すると、先にシステム上の制約が頭に浮かびます。そうなると、その制約をうまく回避するデザインとなり、なんともいけてない、へんてこなデザインになることがままあります。

でも、新規参入のWEB屋は全くそんなことはお構いなしです。まずはゼロベースで考えて、あとから制約に合わせていくスタンスです。

そうなるとやはり良いものができるのは事実です。

 

こういったWEB屋とSIerの関係は、ITコンサルとSIerの関係に似ています。
WEB屋もITコンサルも、ゼロベースから提案をします。本当にユーザー、クライアントにとって良いのもをという視点から提案します。そこには、我々が望む「まずは安定稼働を」なんて視点はほとんど入っていません。

実現性は置いておけば、確かに良いのもができるのです。これまで、SIerに丸投げしてたときには決してできないものが出てきます。その点は評価できるのも事実です。

 

あとは、本当に動くのかということです。 

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SIerの理屈

さて、ワイヤーができたあたりで、実際に開発するSIerに資料を渡し、実現性の確認と見積りを依頼します。

まず概算見積りという、驚くような金額が記載された見積もりが提示されます。

 

そりゃ、世の中の先端を行くデザインにしようとしているので、先端を行く企業と同じくらいのお金はかかるわけです。
数百万円で済むわけはありません。

そういった見積りに対して、WEB屋+現場部門は、
「非協力的だ」
「ぼったくっている」
などのコメントが発せられます。

SIerの技術力が足りないのではないか、なぜあんな会社を選んだのか、IT部門は癒着しているのではないか、等々、IT部門にも飛び火がきます。

IT部門としては、あまり関わりたくないのですが、とりあえず調整に入ります。

 

さらに続く

 

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