中堅企業IT部門の日常

中堅企業IT部門の中間管理職で半研究者の雑談です。毎週火曜日更新予定

クラウドソーシングは、りっぱな労働市場2

世界ではクラウドソーシング、労働市場として確立されているという話の続きです。

(前回はこちら)

blog.sme-itdept.com

 

日本のクラウドソーシング市場

日本のクラウドソーシングもそれなりにがんばってます。クラウドワークスは2014年に上場し、2016年にはワーカー100万人に達しています。

http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS80447/21839442/58b9/4169/b2f1/9ad5e5ec9f2c/20161216193127661s.pdf

 

ただ、Upwork, Freelancer.comなどの海外サイトに比べると桁が一桁違います。日本のクラウドソーシングは日本語限定ということもあり、どうしても規模が小さくなってしまうのが実情です。

 

規模が小さいのも問題ですが、それ以上に気になるのが、日本のクラウドソーシングの取り上げられ方です。

海外では、「ウクライナのエンジニアが人気」とか、「東アジア圏でのヴァーチャルアシスタントの需要が伸びている」など、一般的な仕事をやりとりする場として認識されています。

しかしながら、日本のクラウドソーシングは、WELQの例をはじめとして、「安い単価で単純作業を依頼する」場として認識されています。

実際、クラウドソーシングで単純作業と依頼するタスク型という仕組みでは、多くのワーカーが働いています。

タスク型は手数料が0ということもあり、企業も多数の依頼を行っています。(ちなみに、一般的な仕事を依頼するプロジェクト型の手数料は20%(仕事の金額によって減額される))

結局、クラウドソーシングは、「アンケートに答えていくら」といったアンケートサイトとあまり変わらず、「単なる小遣い稼ぎ」として認識されている傾向があります。

 

「働ければそんなのどっちでもいいじゃないか」という意見もあるかと思いますが、問題なのは、このタスク型の仕事、ほとんどがAIで代替されるような仕事ばかりです。

WELQの件も今回は人に記事を作っていましたが、もう少しすれば、AIが自動的にまとめ記事を書くことも可能になるでしょう。

そうなると、タスク型のクラウドソーシングばかりはやっているようでは、この先の成長は期待できないでしょう。また、こういった市場で働くワーカーはAIに勝てるだけのスキルが身につくわけでもなく、早晩にAIに代替されてしまう可能性があります。

こうなると、日本のフリーランスは生き残っていけるのか不安になります。

 

海外同様に、単純作業だけでなく、一般的な仕事が多く流通する市場にクラウドソーシングを変えていく必要があるかと思います。

 

トランプは怒るのだろうか

話は変わりますが、Upworkにおいて、ウクライナに仕事を出している主要な国の一つが米国です。

また、ウクライナだけでなく米国は、Upworkでの仕事発注元のトップ3に入っています。つまり、米国人のクライアントが海外のワーカーを雇用しているのです。

さて、これは明らかに米国の雇用が奪われていることになります。国内の雇用を推進するトランプ政権にとっては、クラウドソーシングも敵になるのでしょうか?クラウドソーシング上で、米国人は米国内にしか発注できないとかなると、多くの企業、特にスタートアップが困ることでしょう。

 

日本は、このタイミングに積極的にクラウドソーシングを利用し、ウクライナをはじめとした、コストが安く、高度な人材がいる国に仕事を依頼することで、企業の競争力を増すことができるかもしれません。

 

 

クラウドソーシング企業情報

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ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング (機械学習プロフェッショナルシリーズ)

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世界の働き方を変えよう クラウドソーシングが生み出す新しいワークスタイル

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クラウドソーシングは、りっぱな労働市場1

WELQの問題もあり日本のクラウドソーシングは、「安いお小遣い稼ぎ」サイトみたいな印象がついてしまいましたが、世界を見渡せば、一つの大きな労働市場となっています。

 

米国の状況

米国の大手クラウドソーシングサイトUpworkが毎年調査している

Freelancing in America: 2016

によると、

 米国のフリーランスは55百万人で労働人口の35%がフリーランスとのことです。驚くべき数値です。

 

このうち、半数強は会社で雇用されているなど、複数の収入源を持つフリーランスですが、それを除いても20百万人以上はいることになります。

また、フリーランスのうち54%がオンラインで仕事を見つけた経験があると述べています。

オンラインを通じた仕事のやりとり、クラウドソーシング、は大きな労働市場となっています。

 

ウクライナのクラウドワーカー

クラウドソーシングはウクライナでも一つの労働手段として人気がでているそうです。

www.ft.com

Upworkに12万人が登録しており、2015年の最初の3ヶ月で16,000人が新たに登録したとのことです。

新たな登録者には、大学新卒など若い年代が多く含まれています。Upworkを通じて得られる収入は地元で職につくよりも多くの収入を得られる可能性があり、技術を持った若者を引きつけています。特に、モバイルWebの開発などが需要の多い職種となっています。

 

この記事の中では、ある若者がUpworkで1日に受注する金額が、25年の経験を持つ医者である母の月収より多いなどという、ちょっと笑えないような話も乗っています。

マッキンゼーのレポートによると、クラウドソーシングのような新たなデジタルプラットフォームは、2025年までにヨーロッパの雇用を2.5%上昇させるだろうと述べています。

 

ウクライナだけでなく、マレーシア、ベトナムといったアジア圏でも多くの若いワーカーがUpworkで仕事を得ています。クラウドソーシングはグローバルで仕事を融通する立派な労働市場として機能しています。

 

つづく。

 

(元祖クラウドソーシングの本です。10年近く前の書籍ですが、まだまだ参考になる内容です)

クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす (ハヤカワ新書juice)

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45分で分かる!海外と取引を始めたい人のクラウドソーシング 入門編: 21世紀の新しい働き方

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